2024年7月27日時点におけるAWS CodeCommitとAmazon CloudSearchの新規利用に関して
2024.07.27公式アナウンス等
AWS公式のアナウンス等が出たので追記しています。
AWS CodeCommit
本文中にある移行ブログの冒頭に以下のアナウンスが追記されました。
After careful consideration, we have made the decision to close new customer access to AWS CodeCommit, effective July 25, 2024. AWS CodeCommit existing customers can continue to use the service as normal. AWS continues to invest in security, availability, and performance improvements for AWS CodeCommit, but we do not plan to introduce new features.
また、2024年8月2日ごろよりマネジメントコンソール上でも
AWS CodeCommit is no longer available to new customers. Existing customers of AWS CodeCommit can continue to use the service as normal.
というメッセージが表示される様になっています。
Amazon CloudSearch
本文中にある移行ブログの冒頭に以下のアナウンスが追記されました。
After careful consideration, we have made the decision to close new customer access to Amazon CloudSearch, effective July 25, 2024. Amazon CloudSearch existing customers can continue to use the service as normal. AWS continues to invest in security, availability, and performance improvements for Amazon CloudSearch, but we do not plan to introduce new features.
AWS Cloud9
本文中にある移行ブログの冒頭に以下のアナウンスが追記されました。
After careful consideration, we have made the decision to close new customer access to AWS Cloud9, effective July 25, 2024. AWS Cloud9 existing customers can continue to use the service as normal. AWS continues to invest in security, availability, and performance improvements for AWS Cloud9, but we do not plan to introduce new features.
XでのJeff Barrのコメント
以下本文
しばたです。
いつもの日課でAWS CLIの更新履歴を追っていたですが、本日時点で最新のVer.2.17.18において次の変更を見つけました。
- api-change:
codecommit: CreateRepository API now throws OperationNotAllowedException when the account has been restricted from creating a repository.
特にAWSからCodeCommitに関するアナウンスは無く、完全に寝耳に水だったので現状を調べてみました。
AWS CodeCommitの現状
私個人のアカウントで調査した限りの結果になりますが、どうやら
- 既存リポジトリがあるアカウントは特に制限無くCodeCommitを利用可能
- これまでCodeCommitを使っていなかったアカウント
(もしくは既存リポジトリが無いアカウント)は新規リポジトリ作成不可- 他の社員より「過去にリポジトリを作ったことがあり、現在は既存リポジトリが無いアカウントは制限されていなかった」旨の情報を得ました
という状況の様です。
前述のメッセージに
when the account has been restricted from creating a repository.
とあるので今日までの利用状況を見てアカウント単位で判定していると推測されます。
以下の画像は私の個人アカウントでこれまで一度もCodeCommitを使ったことが無かったのですが、
このアカウントで新規にリポジトリを作ろうとすると
CreateRepository request is not allowed because there is no existing repository in this AWS account or AWS Organization
というエラーメッセージを出して処理が失敗してしまいます。
対して以前こちらの記事を書いたアカウントでは既存リポジトリがあり、こちらは特に問題無く新規リポジトリを増やすことができました。
マネージドキーを使ったはずのKMSキーの記載が変だがリポジトリは作れた
ちなみにコンソール画面に上部に表示されているリンクはこちらです。
CodeCommitから他のGitリポジトリへの移行を促す内容となっています。
日本語版もあります。
昨日公開されたばかりの記事で割と唐突な内容という印象だったのですが、今回の制限があってのことだった様です。
追記2 : マネジメントコンソールのメッセージが変わりました
2024年8月2日にマネジメントコンソールを確認したところ、これまで移行ブログを紹介する内容だった部分が
Learn how to migrate your AWS CodeCommit repository to another Git provider here
から
AWS CodeCommit is no longer available to new customers. Existing customers of AWS CodeCommit can continue to use the service as normal.
に変わり、新規顧客の受け入れを停止したが既存の利用者は従来通りサービスを利用できる旨が明記される様になりました。
マネジメントコンソールのお知らせメッセージが更新されていた
本記事で最初から述べている通り「既存顧客に影響は無い」旨を明記したのは非常に良い判断だと思います。
追記1 : re:Postの回答より
こちらのre:Postの回答によると新規顧客への制限をかけ始めたのは2024年6月6日だそうです。結構前からだったんですね...
Beginning on 06 June 2024, AWS CodeCommit ceased onboarding new customers. Going forward, only customers who have an existing repository in AWS CodeCommit will be able to create additional repositories.
こちらによれば2024年7月25日以前にCodeCommitを利用していたユーザーであればAWSサポートへ新規にCodeCommitを利用したい旨をリクエストできる模様です。
(あくまで「リクエスト」できるだけで確実にCodeCommitが使えるわけではなさそうなのでそこはご注意ください)
Amazon CloudSearchも制限されていました
ここで、先日公開されたブログはCodeCommitだけでなく、Amazon CloudSearchとAWS Cloud9においても同様の記事が公開されています...
非常に嫌な予感がしたのでAmazon CloudSearchを調べてみたところCodeCommit同様に新規ドメインの作成が不可となっていました。
CloudSearchでもコンソール上に移行を促す案内が表示され、
新規ドメインを作ろうとするとエラーになってしまいました。
New domain creation not supported on this account. Please reach out to AWS Support for assistance.
CloudSearchを現在利用中のアカウントが無かったため既存ユーザーの扱いまでは確認できなかったのですが、恐らくCodeCommitと同様で「未使用ユーザーの新規作成のみ制限」されていると推測します。
ちなみにAWSのブログはこちらになります。
CloudSearchからAmazon OpenSearch Serviceへの移行を勧める内容となっています。
日本語版はありませんでした。 追加されました。
AWS Cloud9は制限されていなかった...が、後日制限されました
最後にAWS Cloud9ですが、記事を公開した当初は一切制限されてなかったのですが、2024年7月29日昼頃から他サービス同様にマネジメントコンソールに移行を促す案内が表示される様になり、続けて同日21時ごろにこれまで環境を作ったことが無いアカウントにおいて
This account does not have access to the Cloud9 service
という旨の表示がされる様になりました。
これまでCloud9を使っていなかったアカウントはアクセス禁止状態に
既存環境があるアカウントは他サービスと同様で一切制限されていませんでした。
移行を促す案内が増えているが、既存アカウントは制限なく利用可能
AWSのブログは以下になります。
AWS Cloud9からローカルでAWS IDE Toolkitsを使うかAWS CloudShellの利用に切り替える内容となっています。
日本語版はこちら。
追記 : サービスクオータに変化はあったのか？
本記事を公開した後にクオータの存在を思い出して確認したのですが、各サービスのクオータは下記の通りで今回の制限との関連を見出せませんでした。
AWS CodeCommit
サービスクオータでリポジトリ上限数を確認することができませんでした。
利用制限されたアカウントのクオータ値
Amazon CloudSearch
サービスクオータ設定自体がありませんでした。
AWS Cloud9
所定のクオータ値を確認できましたが、この値を無視して新規利用が制限されました。
利用制限されたアカウントのクオータ値
今後の対応に関して
今回の制限はあくまでも「これまでの利用が全くないか現時点で未使用のアカウント」における「新規作成」が制限されただけですので、直ちにサービス終了ということは無いでしょう。
実際AWSにはメンテナンスモードで残り続けているサービスも存在します。
既存の利用者は一切制限されていませんし、慌てて騒ぎ立てる必要は全く無いと思います。
AWS公式ブログの内容を参考に今から次の方式を検討しても十分間に合うでしょう。
また、CloudSearchのエラーメッセージには「AWSサポートへ問い合わせて。」とも書かれていたので、どうしてもCodeCommitやCloudSearchを新規に必要とする場合はAWSサポートに問い合わせてみるのが良さそうです。
現時点では公式アナウンスは無い状況なので今後何らかのアナウンスがあれば本記事も更新しておこうと思います。
最後に
以上となります。
急に新規リソースが作成できなくなると焦るかもしれませんが、代替方法は提示されていますので慌てず対処する様にしてください。
新規利用を停止する以上 "いずれ" はサービス終了もあり得る話ではあるが、それは今回の件とは別に考慮すべき事項である ↩︎
